実務者研修とは

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実務者研修とは

実務者研修は入門資格である初任者研修資格の上位資格です。また、働きながら実務経験を積んで、介護福祉士へキャリアアップするために必須となる資格です。このページでは実務者研修資格を取得するメリットや実務者研修のカリキュラム内容、実務者研修資格取得後の就職・転職について紹介します。

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実務者研修とは

実務者研修とは初任者研修の上位資格です

実務者研修は『介護の入門資格である初任者研修資格の上位資格』です。介護の基礎知識・スキル習得を目指す初任者研修と違い、実務者研修は『介護におけるより専門的な知識や技術の修得』を目的としています。正式名称は「介護福祉士実務者研修」ですが、一般的には実務者研修の呼称で親しまれています。
また、実務者研修資格を取得し3年以上の実務経験を積むことで、介護職唯一の国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることもできます。

【介護職のキャリアパス】
1.介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
介護の入門資格。介護業界未経験の方でも取得しやすい資格です。

2.実務者研修
初任者研修の上位資格。 実務者研修修了かつ3年以上の実務経験で「介護福祉士」の受験資格が得られます。

3.介護福祉士
介護職唯一の国家資格。現場のリーダー的存在です。

4.認定介護福祉士
介護福祉士の上位資格。介護福祉士として5年以上の実務経験を経て、研修を修了することで認定介護福祉士になれます。

実務者研修資格を取得するメリット

資格手当による給与アップが期待できる!

実務者研修を修了することで、資格手当として3,000円〜5,000円ほどアップする場合があります。また、実務者研修を修了していることで、基本月給が優遇されるケースもあります。
下記で給与例を紹介したいと思いますので、一つの目安にしてみてください。

【取得資格別 給与例】
◎介護職員初任者研修修了者
パート・アルバイト:時給 約1,000円
正社員      :月給 約15万円

実務者研修修了者
パート・アルバイト:時給 約1,100円
正社員      :月給 約18万円

◎介護福祉士(国家資格)
パート・アルバイト:時給 約1,200円
正社員      :月給 約19万円

介護福祉士の受験資格が得られる

実務者研修資格を取得し、3年以上の実務経験を積むことで介護福祉士の受験資格を得ることができます。介護福祉士の受験資格を得るには3つのルートがあり、各ルートによって受験資格を得る条件が異なります。
それぞれのルートについて、以下にまとめてみました。

【介護福祉士の受験資格を得る3つのルート】
1.実務経験ルート
介護施設で働きながら介護福祉士を目指すルートです。
「3年以上の実務経験があること・実務者研修を修了していること」という2つを満たすことで、介護福祉士の受験資格を得ることが出来ます。

2.養成施設ルート
養成施設ルートでは短期大学や専門学校に通い介護福祉士を目指します。学歴によって受験資格を得るまでの期間は変わりますが、最短で1年、介護福祉関連の学校をでていなくても2年で介護福祉士の受験資格を得ることができます。

3.福祉系高校ルート
福祉系高校、又は福祉系特例高等学校を卒業し、国家試験を受けることで介護福祉士の資格取得を目指すルートです。

働きながら介護福祉士を目指す実務経験ルートは養成施設や福祉系高校に比べ、費用がかからず時間の融通も利くため、特に社会人や主婦の方におすすめです。 実務者研修を修了するにはスクールに通う必要があります。スクールによって開講日程や時間も異なりますので、受講される方は自身のライフスタイルに合ったスクールを選ぶようにしましょう。スクールを選ぶ際は、できる限り複数スクールの資料請求をして、比較検討するとよいでしょう。

サービス提供責任者になれる

サービス提供責任者とは、介護サービス提供におけて「ケアマネジャー・ヘルパーとの連絡・調整」をするコーディネーター業務を行う人のことです。 実務者研修の修了者は、実務経験の有無に関係なく、サービス提供責任者になることができます。 サービス提供責任者は訪問介護事業所では「利用者数が40人に対して1人以上サービス提供責任者の配置義務」があるため、求人ニーズもあります。 また、ヘルパーと比較して給与も高い傾向にあります。参考までに、サービス提供責任者の給与相場を紹介します。

【サービス提供責任者の給与相場】
◎正社員
月給22〜23万円程度
※介護福祉士資格があれば24万円を超える場合あり

◎パート・アルバイト
時給1,100〜1,200円程度
※介護福祉士資格があれば1,300円を超える場合あり

ヘルパーの給与相場(月給20万円、時給1,000円)に比べると、サービス提供責任者では月給で1万円、時給で100円程高い傾向にあります。これからヘルパーとして働こうと考えている方、既に働いている方は、サービス提供責任者になれる実務者研修の受講を検討してみるのもよいかもしれませんね。

たん吸引・経管栄養の知識を学ぶことができる

「たんの吸引」や「経管栄養」を介護現場で行うためには喀痰吸引等研修を受講する必要があります。喀痰吸引等研修は基本研修と実地研修で分かれていて、実務者研修を修了していれば、基本研修が免除になります。
近年はたん吸引・経管栄養への需要が高まっています。実務者研修だけでなく喀痰吸引等研修の修了も目指すことで、職場での活躍の幅も広がって就転職時にも有利になるでしょう。

実務者研修の受講費用、受講期間、カリキュラム内容

実務者研修の受講費用

実務者研修資格を得るためにはスクールなどが開講している講座受講が必要です。受講費用は、既にお持ちの資格によって変わってきます。また、スクールよってお得なキャンペーンを実施していたり、「一般教育訓練給付金」の対象になっている講座がある場合もあります。

【実務者研修受講料 目安】
無資格者  9万円〜20万円
初任者研修(旧ヘルパー2級修了者) 6万5千円〜14万円

【一般教育訓練給付金について】
一般教育訓練給付金対象講座を修了した場合に、そのスクールに支払った受講料の20%相当が、ハローワークから支給されます。
下記のいずれかに該当する方は、「一般教育訓練給付金」の対象者になります。
・雇用保険の一般被保険者で、被保険者として雇用された期間が3年以上の方
・雇用保険の一般被保険者資格を失ってから(退職してから)1年以内かつ、被保険者として雇用された期間が3年以上の方
※対象者かどうかの確認は、最寄りのハローワークにお問い合わせください。

受講スクール・講座を選ぶ際は、複数資料請求して比較検討されることをおすすめします。受講料だけでなく、スクーリング日程なども必ずチェックするようにしましょう。

実務者研修の受講期間

実務者研修では450時間というカリキュラムの時間数が決められていますが、受講期間は通信・通学講座によって異なります。通学の場合だと4ヶ月〜6ヶ月、通信では1ヶ月程度が目安です。通信講座は通学講座よりも短期間で修了できるため人気が高く、定員オーバーになることがあるようです。早めの申し込まれることをおすすめします。
受講スクールを選ぶ際は長時間の研修であることも考慮し、受講料だけでなく開講日程や学習サポート体制もチェックしてみてください。

【スクールを選ぶポイント】
1.自宅・職場からアクセスが良いこと
2.ライフスタイルに合った講座があること
 ex.)平日昼間・平日夜・土日コースなど
3.受講生のサポート体制が充実していること
 ex.)無料振替制度、質問に対する早いレスポンス、就職支援、休会制度など

実務者研修のカリキュラム内容

実務者研修のカリキュラムは、20科目(450時間)で組まれています。尚、既に介護資格をお持ちの場合には、受講科目が一部免除されることがあります。(例:初任者研修の場合、130時間の免除)
該当資格別の受講時間数を一覧でまとめましたので、参考にしてみてください。

※医療的ケアは、別途演習を修了する必要があります。(演習の時間数は受講先により異なる。)
詳しくは、受講スケジュールで確認してみてください。

実務者研修の受験資格、試験内容、試験難易度

実務者研修 試験内容・合格率

実務者研修には、初任者研修のように修了試験の実施義務はありません。ただし、スクールによっては学習内容の確認をする意味合いで、試験を実施しているケースもあるようです。試験がある場合には実務者研修のカリキュラム内容からの出題となります。試験の有無について気になる方は、受講前に確認しておくとよいでしょう。
尚、試験があったとしても、学歴や経験などの受験資格は特にありません。また、実務者研修のカリキュラム・テキストは日本語なので、日本語が理解できる方であれば外国籍の方でも問題ありません。

合格率は、ほぼ100%、授業内容をしっかり理解できていれば大丈夫です。 不合格だったとしても追試が実施されますし、実際、試験に落ちて修了出来なかったという話は聞いたことがありません。
実務者研修の試験を恐れる必要はありません。それよりも450時間という長時間のカリキュラムを最後までやりきるために、自分のライフスタイルに合ったスクールを選ぶことが大切です。いろいろなスクールを比較検討しながら、ぴったりのスクールを選んで下さい。

実務者研修 資格取得後の就職・転職

実務者研修資格取得者の就職先としては、老人ホームやグループホーム、デイサービスや訪問介護事業所などがあげられます。 また、実務者研修資格を取得すると、サービス提供責任者として就職することも可能になります。サービス提供責任者の需要は多いため、無資格者や介護職員初任者研修取得者に比べても就職先の幅は広がるでしょう。 サービス提供責任者として管理業務に就きたい場合には、求人情報はより細かなチェックをおすすめします。就職先によってはその他の介護職員と同じように身体介護・生活援助等の現場に入る業務がメインであることもあるようです。

下記で介護職の求人を紹介していますので、参考にしてみてください。

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