介護の仕事「長く続けられないと感じる」子育て世代中心に82%

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介護の仕事「長く続けられないと感じる」子育て世代中心に82%

介護職経験者166名に、介護の仕事を「長く続けられない」と感じることがありますか?という率直な質問を投げかけました。「はい」と答えた人は82.7%。そのうち「実際に辞めた」人は56.8%と過半数にのぼる結果です。なぜ、介護職は「長く続けられない」のでしょうか?

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介護の仕事を長く続けられない3大理由は「体力」「給与」「人間関係」

体力が持たない

体力面でキツイという意見の中でも、介助が重労働であることに加え、勤務時間の長さ、夜勤がある辛さを訴える声が目立ちました。

深刻な人手不足で夜勤後に続けて日勤という超長時間勤務が日常的なため、年を重ねながら長く働ける環境ではないと感じます。
腰痛になり、眠れなくなったので辞めました。
夜勤がものすごくつらかったです。夜中に重労働(身体が大きい人のオムツ交換や精神不安定な方の対応、身体が大きい方のトランスファーなど)だったので、明けではくたくた。それなのに夜勤手当少ないので辞めたかった。

給与に満足できない

労働量に対して給与が低いという意見が圧倒的です。

一人暮らしをするようになり、生活するのに十分なお給料ではないと感じたこと。
タイムカードを切ってから担当の利用者さんに呼ばれたりする事もあり仕事とプライベートとの区別がつかないときもありました。しかし、給料がもう少し良ければ今でも頑張れたかもしれない。見合わなかった。

職員同士の人間関係

労働環境や責任の重さは、やがて職員のストレスとなり、それがサービスの低下、人間関係の悪化といった悪循環に繋がってしまっていることがわかります。

責任が思いわりには低賃金。ストレスで利用者に虐待ギリギリのような冷たい態度であたる他の職員を見るのも辛かったです。
人手が不足していて、激務で低給与です。良い職員がどんどん辞めていくため、質の低下に歯止めがかかりません。辞めたいと思いながら働いています。

「育児と両立できない」25〜34歳世代にとって過酷

回答者の中でも、出産・育児で子育てに特に手のかかっている25〜34歳世代においては、「長く続けられない」と感じる人の割合が94%。ほぼ全員が無理だと感じているのです。実際に辞めた人の割合も67%に上ります。

「体力的にきつい」、「夜勤があり労働時間が不規則」、また利用者ごとの“担当制”が多いため「子どもの病気などで休むと同僚に迷惑がかかり、休み難い」といった介護の職場の状況は、育児と両立するには非常に困難だと感じているようです。

力仕事も多く、育児しながらの時間と体力ではキツい。
子どもの病気などで休むと同僚に迷惑がかかり、休み難い。仕事量的に毎日提示では帰れない。報告書や雑務の時間は基本的に時間外だが、残業代はゼロ。自分の子どもを保育園に預けるのは長時間。何を犠牲にして仕事をしてるのか、その意義がわからなくなって、やめました。

介護職ならではの「長く働けない」理由も・・・

上位の理由以外にも、介護職ならではの理由が寄せられました。

社会福祉とビジネスの矛盾が許せない

介護は社会福祉。しかし、ボランティアではなくサービスである以上、利益を得なければ事業者は職員に給与を支払うことも介護の質を維持向上することもできません。事業者と職員の理解共有を進めていく必要がありそうです。

気持ちの面はもう少し利用者さんに寄り添いたいが、会社の利益やお金人での問題でそうもいかない、、という裏が見えてしまう。自宅でも介護対象者がいるので複雑な想いがある
まず、介護に対する考えが施設の理念とは違い不安を感じました。人と人とのふれあいの中いかにサービスでお金をとるようにと考える施設事業のやり方が嫌になりやめました。

責任の重さ、人の最期との直面

利用者の自立支援を目指してケアを行っても、思ったような成果やご家族の理解を得られない。また人の人生の最期に直面する仕事であることに、責任の重さを感じるという意見もありました。

認知症患者が転んだりして、発見したら報告書を書かなければならない。対策を考えているのに、防ぎきれない。ストレスばかり。
食事の配膳など絶対にミスが許されないことも多々あり責任が思いわりには低賃金。
認知機能が低下している方には、自分の無力さに限界を感じることがあります。寝たきりにならないように、あえて我が儘を聞いてあげられないことありますが、ご家族は虐待してるんじゃないかと疑われることも。毎日悩みます。
「利用者様の死」に直面したとき、直接私が何かしたから亡くなったというわけじゃなくても、利用者様について理解が足らなかったんじゃないかと後悔の念があって、いまだに思い出すとつらい気持ちになります。

責任を要する仕事でありながら、給料が上がらないために慢性的な人手不足が解消されず、労働時間や体力面での負担が増える。先行きが見えなずに長く働くイメージがつかない、という本音が浮き彫りになる結果でした。

次回は、それでも「長く働ける!」と感じている介護職員の方々の声にフォーカスします。

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