突然の辞令!悩めるリーダーに知って欲しい8つのこと

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突然の辞令!悩めるリーダーに知って欲しい8つのこと

いきなりリーダーに任命されたけれど、どうしたらいいか分からない…介護の現場ではよくあることですよね。私自身、一般職員から突然役職者に任命されて、人の上に立った経験もリーダーシップを学んだ経験もなく、とても悩んだ時期がありました。そこで今回は、私のこれまでの経験に基づいて、新米リーダーが知っておくと役立つ8つのポイントをご紹介します。参考にしていただければ幸いです。

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1・相手の話をじっくりと聞く

急にリーダーに任命される人の中には、相手の目を見て、話がしやすい雰囲気でじっくり話を聞くという事に慣れていない方が多いです。 リーダーという肩書は、本人が意識しなくても他の職員へプレッシャーを与えます。 厳格なリーダーがいても良いとは思うのですが、「あなたの話を聞く準備が出来ていますよ」という態度で臨んだ方が、話をする職員も安心します。

2・相談には慎重に対応する

リーダーになると、周りから様々な相談が持ちかけられるようになると思います。軽い内容(例えば掃除の手順や片づけ方など)であればリーダー判断で即決してもあまり問題ありませんが、職場全体に関わる問題(ご利用様に関することや業務の流れについて、会社の体制やリーダーの対応に関する不満)だった場合は、慎重に検討する必要があります。なぜならその内容は単純に相談者個人のスキルや考え方に帰するもので、全体のシステム等を変更すべきでない可能性もあるからです。
まずは訴えを受け止める事が大事ですが、職員間の情報共有や特定の職員のコミュニケーション不足やスキル不足が原因なのか、それともほかの職員も困っていて改善が必要なのか、然るべき立場の人と相談し、日々の申し送りや会議などで確認したうえで決定するようにしましょう。
また、忙しいときなどは「そんなの自分で考えて」と投げやりな対応をとってしまいがちですが、これはリーダーとして絶対にいけないことです。あなたの評価を落とすだけでなく、悩みを抱えた社員を放置することで全体の士気も落ちかねません。注意してください。

3・中立な立場を心がける

リーダーというのは、良くも悪くもとても影響力のある存在です。発言1つを取っても、現場職員の間で話題になる事が度々あります。だからこそ、リーダーは特定の職員に肩入れをしてはいけませんし、全員に対して平等に接する必要があります。

4・嫌われることを恐れない

リーダーである以上、時には厳しい事を言わなければいけない事もあり、嫌われる覚悟も必要です。特に職員間で意見の食い違いが発生している場面等で曖昧な態度ばかり取っていると、「リーダーに言っても無駄」と現場から判断され、信頼を得る事が出来ません。自分が嫌われる事で現場がまとまるならそれでいいや、くらいの気持ちで臨んだ方が気持ちの上で楽だと思います。

5・公衆の面前で職員の指導をしない

バタバタしがちな介護の現場ではありがちですが、ご利用者様や他の職員がいる前で、職員に対して長々と注意をしたり、過度な指導をしたりすることは控えましょう。職員がミスをした時、その場で伝えた方が分かりやすいのは確かです。しかし、あなたが職員に指導している内容をご利用者様や他の職員も聞いています。あなたは熱心に指導をしているつもりでも、周りには「職員に怒っている」と映る場合があります。あなたがご利用者様の立場だったら、目の前でそんな場面が繰り広げられたら、どう感じますか?職員への指導は、他の人がいないところで行いましょう。

6・会社や体制の批判をする

会社や体制に関しての不満は色々あるでしょう。しかし、リーダーが現場職員に愚痴を言ってしまうと「自分が納得出来ない事を私達にやらせているのか」と思われてしまいます。 会社の上層部と現場とを繋ぐパイプ役であるリーダーが会社批判とも受け取れる内容を口にしてしまうと、職員の不信感は身近な存在であるリーダーに向けられます。 「どうしても愚痴を言いたい!」という時は、リーダー同士など鬱憤を分かち合える立場の人と語り合いましょう。

7・サービスの基本は「ご利用者様本位」

福祉サービスの基本は、利用者本位と自立支援だと私は考えます。つまり、サービス提供はご利用者様のためにあり、リーダーも現場職員も、ご利用者様のために働いているのです。 そこを明確なチームの目標として全員がその目標を意識出来れば、嫌な事も「ご利用者様のため」と乗り越えていけるでしょう。 この目標が共有できていないと、困難な状況でチームワークが悪くなり、ケアの質の低下に繋がりかねません。 リーダーであるあなたも、うまくいかない事や、つまづく事があったら「ご利用者様のため」に動いているということを思い出してください

8・リーダーだから偉いのではない

役職者として仕事をしてみて私個人が感じたことですが、リーダーだから偉いという訳でも、偉いからリーダーという訳でもありません。人の上にたつ立場というのは、とてもプレッシャーのかかる、責任あるポジションです。しかし、それは職場を支えてくれる職員1人1人の努力があってこそだと思います。
職場が船で、リーダーは舵取りをする人、現場職員は船を漕ぐ人と言えば想像しやすいでしょうか? リーダーが必死で舵を取っても、船を漕ぐ人がバラバラな動きをしていたら、意図した方向に船は動きませんよね。逆に、船を漕ぐ人が一生懸命に団結しても、舵を取る人が機能しなければ目的地には着けません。
リーダーと現場職員双方の信頼と努力があってこそ、素敵な職場になれるのです。大変さをアピールするばかりではなく、自分も現場のために動かなければいけません。 現場職員から「重い責任を背負ってくれてありがとう」という気持ちを持って貰えるように、現場職員に対して「いつもありがとう」という気持ちで仕事に臨めれば、言葉に出さなくてもやがて気持ちは伝わっていきます。
周りがついてきてくれない、うまくまとまらない…そんな悩みがあるなら、まずは自分の考え方を変えてみるといいかもしれません。

最後に

これを読んだ方が、「えっ?ポイントって、こんな事で良いの?」と思って貰えたら、私としては嬉しく思います。 自分自身が実践していく中で感じた事ですが、人との信頼関係を築くのは、難しい理屈や専門的理論ではありません。 介護の仕事は対人サービスであり、サービスを行う職員もまた「人」なのですから。 人を動かすのは、人の心なのだと思います。 現場から頼られるリーダーになれるよう、頑張っていきましょう。

プロフィール画像 プロフィール

霜鳥香織(デイサービス 生活相談員)身内が要介護状態になった事をきっかけに福祉の道を志し、福祉系大学へ進学。卒業後、療養型病棟、デイサービス、グループホーム、有料老人ホームにて、介護士、生活相談員、管理者として従事する。自立支援、利用者主体を念頭においたサービス提供を心がけている。介護職員初任者研修スクールの講師も担当する。

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