ご利用者様との会話が続かず困った時に!見直して欲しいコミュニケーションのポイント

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ご利用者様との会話が続かず困った時に!見直して欲しいコミュニケーションのポイント

実習や施設見学、入職したての職場などで「ご利用者様と会話をしていて」と言われた事はないでしょうか?お互いに信頼関係が確立されていないと、会話が一言で終わってしまったり、次の話題が見つからなかったり・・・そんな時に振り返って欲しいコミュニケーションのポイントをご紹介します。

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話しかける時に気を付ける事は?

ご利用者様と会話をする時、どのように話しかけているでしょうか?ご利用者様との距離や目線の高さはどうでしょうか?声のトーンや表情はどうしていますか?私たちが友人や家族と会話をする時と同じように話しかけてしまうと、言葉のキャッチボールがうまくいかないことがあります。ご利用者様に話しかける時には、次のようなポイントに気を付けながら話しかけてみて下さい。

相手との距離感は大丈夫?

人間には、「この距離以上には近寄って欲しくない」と感じる距離があります。パーソナルスペースという言い方をしますが、不快感を感じる距離は人によって様々です。一般的には女性より男性の方がパーソナルスペースが広いと言われていますが、初対面の人とは1m程度の距離を保つと良いとされています。近づきすぎると相手に不快感を与える事もあるのだと念頭に置いて、距離感を少しだけ意識してみてください。ただし、高齢者は耳が遠い方が多く、近くで話さないと聞こえない方も大勢いらっしゃいますので、距離感と聞こえ方のバランスも注意してくださいね。

相手と目線の高さを合わせましょう

対人コミュニケーションの基本ですが、話をしたい相手と目線の高さを合わせましょう。相手を見下ろすような位置で話しかけてしまうと、威圧感を与えてしまい「この人は恐い」というマイナスの印象を持たれやすくなります。車いすの方やベッドに寝ている方であれば、屈んだり膝をついたりして目線が合うようにしましょう。

笑顔、やや低めの声、簡潔の3拍子を忘れずに!

初対面の人の印象は9割が見た目で決まります。きちんとした身だしなみで笑顔でいるだけで、好印象を持たれやすくなります。話をするとき、高齢になると耳の機能が低下して高い音域が聞き取りにくくなりますので、やや低めの声でゆっくりと話しかけます。また、1度にたくさんの事を話しかけてしまうと混乱の原因となるため、伝えたい事は簡潔に。笑顔を忘れず、やや低めの声で簡潔に話しかける、この3点を意識するだけでも「話しやすい人」に近づけます。

話し上手は聞き上手!会話中のポイント

ご利用者様に話しかける事が出来たら、会話を続けていくために次のポイントを実践してみて下さい。その方の関心がどこにあるのか分かれば、どんどん会話の幅が広がっていきますよ。

開かれた質問、閉じられた質問を上手に使いましょう

質問には、「はい」「いいえ」で答えられる『閉じられた質問』と、二択では答えられない『開かれた質問』があります。会話の切り出し方としては、閉じられた質問から始めて開かれた質問をしていくと、会話が弾みやすくなります

適度に視線を外しましょう

話をする時に相手と目線を合わせて、相手の目を見て話す事が基本ですが、会話中にずっと目を見て話をすると息が詰まってしまう事があります。ずっと相手の目を見て話し続けるよりは、少し目線を外すタイミングを作った方が相手に圧迫感を与えにくくなります。ご利用者様と会話をする空間に花や手作りの飾りなど、視線を自然に外す事のできる小物を置くと効果的です。また、会話のきっかけにもなります。

自分を出し過ぎず、相手の話を受け止めましょう

会話の最中に「私は〜」「私は〜」と、ついつい自分の話ばかりしてしまっていませんか?ご利用者様とのコミュニケーションにおいては、自分の事を全面に出して話をするより、相手の話に耳を傾け、受け止め、共感する姿勢が重要です。ただ頷いて話を聞くだけではなく、適度に相槌を入れながら聞くようにします。また、ご利用者様がせっかく話をして下さっているのに、話の内容を否定してしまっては台無しです。特に認知症の方は、信じられないような事を話される方もいらっしゃいますが、否定せずに受け止めるようにしてみて下さい。

円滑なコミュニケーションをとるために

前述してきたような会話のテクニックだけでなく、以下にご紹介する事を実践していくと相手を問わずに会話を続けていけるようになってきます。

話をしながら、相手が興味のある話題を探しましょう

人見知りだったり、相手の方が自己開示をなかなかして下さらない場合は、待つだけでなく自分からどんどん話をしてみましょう。何気ない会話から始めて、少しずつ聞きたい事を聞いていくようにすると相手も話がしやすいです。会話の引き出しを増やすために、季節の行事やニュース、時事問題など、普段から色々な情報を積極的に取り入れて、話題の幅を広げましょう。

事前の情報収集も大切です

一見するとコミュニケーションとは関係がない事のように思えますが、ご利用者様の情報ファイル等に記載されている対応や性格の注意点などはしっかりチェックしましょう。生活歴や趣味なども記録されていることもありますので、その方がどんな方か知る事が出来ます。ご利用者様のひととなりを知る事が円滑なコミュニケーションへと繋がっていきますので、事前に情報収集をしましょう。

この人ともっと話したいのに話題が見つからない、話し方がわからない・・・そんな時には、これまでお伝えしてきた事を実践してみて下さい。会話の糸口が掴めれば、どんどん話の幅を広げていく事が出来ます。あなたが話をしやすい人だと分かれば、ご利用者様の方から話しかけて下さるようになります。

プロフィール画像 プロフィール

霜鳥香織(デイサービス 生活相談員)身内が要介護状態になった事をきっかけに福祉の道を志し、福祉系大学へ進学。卒業後、療養型病棟、デイサービス、グループホーム、有料老人ホームにて、介護士、生活相談員、管理者として従事する。自立支援、利用者主体を念頭においたサービス提供を心がけている。介護職員初任者研修スクールの講師も担当する。

介護職netコラムについて介護職netコラムでは、介護職netに掲載している求人情報からの情報と、編集部が集めた情報を元に記事を作成しています。

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