特養ってどんな仕事?やりがいや楽しさはどこにある?

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特養ってどんな仕事?やりがいや楽しさはどこにある?
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「仕事が大変そう」「機械的なケアが多いのでは?」そんなイメージを持たれがちな特別養護老人ホームのお仕事。その実情を探るべく、特別養護老人ホームいなぎ正吉苑で介護職員として働いている桜井さんに、仕事のやりがいや楽しさについて伺いました。

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特養は利用者様にとって「家」のような場所

ー数ある形態の中で、特別養護老人ホーム(以下特養)を選んだ理由を教えてください。

特養は利用者様にとって、24時間過ごす住まいのような場所ですよね。素の表情を見ることができるので、どんな方なのか総合的に知ることができるのではないかと思い選びました。全くの介護未経験だったので、夜勤もある特養が一番色々なことが経験でき成長できるだろうという狙いもありました。

ー特養に対して「仕事が大変そう」というイメージを持たれている方が多いようですが、不安はありませんでしたか?

確かに漠然と「体力的にやっていけるんだろうか」という心配はありました。しかし専門学校で、トランス等の体を使う仕事はボディメカニクスを活用することで負担を軽減できることを学び、不安は解消されましたね。クラスには40代以上の主婦の方もいて、年齢性別問わないんだなということも安心感につながりました。
実際に仕事をはじめて、痛みや疲れ方は自分の体の使い方で変わってくることを実感しています。最初は少し大変でしたが、経験を積むと慣れてくるというのもありますし。加えて準備運動や帰ってからのケアも大事ですね。

ー実際は一般的なイメージの通りではなかったんですね。他に世間とのギャップを感じることはありますか?

特養は世間的に「終の棲家」と呼ばれていますが、一概にそうとも言えません。もちろん施設で看取りをする機会も多くありますが、入居時と比べてできることが増える方も、自宅に戻られる方もいらっしゃいます。私は「普通の家」と捉えていますね。ですから家での生活と同じように、ただただお世話するのではなく、トイレで立ち上がれる方はたちあがってもらったり、ズボンを下せる方はおろしてもらったり、一緒に居室のお掃除をしたり、介護度があってもできることはやっていただくよう促しています。

できる限り利用者様に楽しんでいただく工夫を

ー特養での仕事内容を教えてください。

生活援助や身体介護が主になります。ショートステイが併設されているのでその受け入れや、ケアプラン達成度入力などの書類作業もあります。
利用者様と接する際は、少しでも楽しんでいただけるよう心がけています。談笑したり、歩く意欲が高い方であれば一緒に歩きながらお話ししたり、あとは声掛けですね。体調が悪そうであれば「大丈夫ですか?」など問いかけをしたりですとか。身体ケアはどうしても流れ作業になりがちではありますが、こうしたアクションがあると単調にはならないと思うんですよね。仕事を始めたばかりの頃はやるべきことをこなすだけで精一杯でしたが、段々と余裕が出てきて利用者様の状態や気持ちに気を配れるようになりました。
他にも年中行事のお花見や夏祭り、クリスマス会を開催したり、利用者様と一緒に回転ずしにでかけたりと、楽しめるような企画を実施しています。

ー仕事をする中で特に印象に残ったエピソードを教えてください。

以前開催した102歳の利用者様のお誕生会が印象に残っています。他部署の職員にも協力を仰ぎ、食べやすいババロアで特別に作ったケーキや、寄せ書きをお渡しし一緒にお祝いをしました。活気が落ちていた方でしたが、とても喜んでくださいました。
また、食が落ちてしまった方に何が食べたいかをお聞きした際、「ハンバーガー」や「おもち」など、常識的に考えれば無理だろう、という物を答える方がいらっしゃいます。難しいと思いつつも最後にお好きなものを楽しんでいただきたいのでご用意すると、おいしそうに召し上がるんですよ。これには人間の生きる力のようなものを感じさせられますね。

チームプレイが特養の魅力

ー特養の仕事の魅力とはどんなものですか?

介護職員だけでなく、医療職や管理栄養士、リハビリ職など様々な職種が働いており、連携して仕事ができることですね。会議や普段の会話を通じて、日々「利用者様にとって良いことは何なのか」を一緒に考え、実行しています。介護職は利用者様と一番近くにいるため情報をたくさんもっていますが、介護目線の提案が医療や栄養の立場から見ると、利用者様にとって最善の提案とは限りませんので。
ケアプラン更新の際は基本的に職員全員が出席するので、それぞれの職種の意見が反映されます。各職種が持っている情報に大きなずれがあればぶつかることもありますが、お互いの立場を認めつつプロの目線で話をするので最終的に一つの方針を定めることができます。 皆さん立場ごとの意見や独自の介護観があるので、「こんな目線もあるんだ」と気づくことがたくさんあります。
働き始めたばかりの頃は教えられたことしかできませんでしたが、今では視野も広がってきて、一介護職員として、自分の意見も持てるようになりました。自分なりのプラン等を伝えると、「ここは良いけど、ここはこうした方が良いんじゃない」と色々な方からアドバイスをもらえるのでスキルの向上にもつながっています。

ー困難なこと、大変だと思うことはありますか?

個人的なことなのですが、病気になり入院と療養で一ヶ月休職したこと、復帰後も限られた業務しかできなくなってしまったことです。利用者様のサポートをしたくてこの仕事を始めたのに、やりたくてもできないという状況に陥ってしまったのは、とても辛かったです。しかし、周りの職員が「できないことはこっちでやるから、やれることをやってくれれば良いよ」と支えてくれたので、とにかく自分のできることを精一杯やろうと思うことができました。
ただ病気も悪いことだけではなく、入院したことは良い経験にもなりました。住み慣れた家から何もない多床室に入り、知り合いのいない部屋で一人で食事をとっていると、利用者様の気持ちが少し分かるような気がしました。以前、配膳の際味噌汁を少しこぼしてしまったものの、忙しくてそのまま出してしまったことがあったのですが、実際に自分が食事を受け取る側になると、おかずが少しこぼれていたり箸が乱雑に置かれていると、少し嫌な気持ちになったんです。その時、利用者様に不快な思いをさせてしまったんだと気づき後悔しました。10秒もあれば拭けたのになんでその手間を惜しんでしまったんだろうと。「忙しくて余裕をなくしてしまうこともあるけど、丁寧に仕事をしたい」と、気持ちを新たにしました。

他には、時間的人員的制約がある中で質の高い仕事を続けることですね。利用者様が多い中、職員数は限られていますから。流れ作業であればそれほど難しいくないかもしれませんが、利用者様の状態に応じて柔軟な対応をするとなるとそれだけ手間はかかります。この辺は新人だと結構つらいかもしれませんね。私自身も始めは全く分からず、先輩社員に聞いたり言われた通りにやったり、といった状態でした。現在は慣れてきて、以前と比べると限られた時間で適切な判断ができるようになってきたと思います。

「利用者様本位」を大切に

ー仕事をする上で大切にしているポリシーなどはありますか?

できる限り利用者様の状態や気持ちを優先させる、「利用者様本位」という考え方です。人間ですから、日々状態が変わるのは当然のこと。その変化に寄り添い、「今日は体調が悪そうだから時間をかけた方がいいな」や「いつもより状態が良いから散歩ができるかな」など判断し、都度対応を変えるようにしています。
この「利用者様本位」は当法人全体で共有している考え方でもあります。例えば、当法人は特養では珍しい「おむつ外し」を実施していますが、これも「利用者様本位」から始まった試みです。おむつを使っていると病気のリスクが高まり、ADL低下の危険もあるため、可能な限りトイレで排泄できるよう促しています。根拠をしっかり理解しているので、職員全員が同じ目標に向かって進むことができています。しかし、短期的に考えるとトイレに連れて行く手間が増えるため、「利用者様本位」の視点がないと実施は難しいかもしれませんね。

プロフィール画像 プロフィール

桜井 暢人(特別養護老人ホーム いなぎ正吉苑 介護職員)大学は法学部へ入学したが、「人と関わる仕事がしたい」という思いから、介護の道へ方向転換。専門学校卒業後は、正吉福祉会 いなぎ正吉苑で介護職員として働き始め、現在に至る。「利用者様第一」の介護を大切に、日々精進中。

介護職netコラムについて介護職netコラムでは、介護職netに掲載している求人情報からの情報と、編集部が集めた情報を元に記事を作成しています。

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