現在介護職員の離職率が高いことは皆さんご存知だと思いますが、介護職員が長く働き続けるためにはどうすれば良いのでしょうか。私は、「目標を持って働くこと」が必要だと考えます。体験談を含め、「目標を持って働くことの大切さ」をご紹介させていただきます。
なぜ、目標を持つことが大切なのか?
目標を持つことは仕事に対するやる気を維持するためにとても大切です。目標がないと、何のために働いているのかが分からなくなり、やる気が無くなってしまいます。目標を持ちそれを成し遂げた時の喜びは計り知れないものがあり、「これからも頑張ろう」という前向きな気持ちになります。
目標が明確になっていないと、自分が一体どの位置にいるのかが分からず、仕事に対する不満や悩みが出てきやすくなります。このような状態であると、「この仕事を続けていて本当に良いのだろうか」「先が見えない」等マイナスな感情が生まれ、ますますやる気が無くなってしまいます。前進しているにもかかわらず、そのことに本人が気づかず、やる気が無くなってしまったために途中で投げ出してしまうことになり兼ねません。
目標の設定から、達成するまで
まずは『初心』にかえってみる
設定すべき目標は個人で違ってきますが、そもそもどのような目標を立てれば良いのか分からない方もおられると思います。そんな方はまず『初心』にかえってみましょう。これから、あるいは現在している介護職は本当にやりたかった仕事でしょうか。もしやりたかった仕事ができているのであれば、最終的にどのような人になりたいでしょうか。もしやりたかった仕事ではないけれど、とりあえず仕事に就いている方であれば、本当はどのような仕事に就きたいと思っていますか。現在の仕事は本当に就きたい仕事の過程として考えることができているでしょうか。初心にかえり、自分を見つめなおすことで目標が定まってくると思います。
目標を設定するうえで注意すること
まずは長期目標を設定しましょう。長期目標とは、上記で述べた「最終的にどのような人になりたいか」です。 長期目標を前提に、短期目標を設定しましょう。短期目標とは、「長期目標達成に近づくために、少し頑張ればできそうなこと」です。今の自分では到底叶いそうもないことを設定しないことがポイントです。 長期目標・短期目標ともに、自分のその時の状態によって変えても構いません。大切なのは、どんなことでも良いので常に目標を持ち働くことです。
目標達成のために必要な考え方、行動
目標達成のためには、初めての仕事や、今の自分にとって困難な仕事をすることになった際、それをどう捉えるかがとても重要です。自分にとって成長できる、スキルアップできるチャンスと捉えるでしょうか?あるいは失敗を恐れ負担に感じ、困難を避けようとマイナスに捉えるでしょうか?目標達成に近づけるのは前者であることはお分かりでしょう。「失敗は成功のもと」と言いますね。
その時は困難や失敗と感じても、後になってみると「あの時は大変だったよね」と
思い出話になったり、後輩を指導する際に
困難事例や失敗談を交えることでより分かりやすい指導につながったりします。
また利用者支援においても、一度失敗をしていると要領が分かっているため、成功
事例につながります。
困難や失敗は自分にとっての糧になり、また利用者支援や人材育成にもつながるの
です。
また、行動を継続することも大切です。「継続は力なり」とよく言われまが、一度で完璧に仕事をこなせる人はほとんどいません。何度も繰り返し、失敗も繰り返し、試行錯誤しながら徐々にできるようになるものです。言うのは簡単ですが、実践となると難しいですね。しかし継続して働いている人、場数を踏んでいる人にはかないません。
目標達成がうまくいかないときはどうする?
人はことが上手くいかない時は気持ちが落ち込みます。気持ちが落ち込んでいるとやる気が出ず、仕事もはかどりません。 ここで自分が設定した目標を見直してみましょう。そして、気持ちが前向きになるように、短期目標の内容を達成しやすいものにしてみましょう。 また、同僚や先輩に相談しアドバイスを求めるのも良いでしょう。
最後に…目標達成により、自分に自信をつけることができた
私がこれまで介護の仕事を続けてこられたのは、憧れの先輩がいたからです。その先輩は私が新卒で入職した事業所の職員で、当時は管理者をされていました。仕事はもちろん、人間的にも尊敬できる存在でした。右も左もわからない不器用な私に対して懇切丁寧に指導して下さいました。入職して3〜4か月経った頃、自分の仕事のできなさに苛立ち、利用者や他の職員に迷惑をかけていると感じ悩んだ時期には、「今は足を引っ張っていてもいいんだよ。徐々に仕事を覚え、先輩の立場になった時に後輩にいろいろ教えてあげてほしいな。それが恩返しと思って。」と言葉をかけてくれ、気持ちが楽になったことを良く覚えています。
そこで、私の長期目標は「憧れの先輩に近づく」・短期目標は「先輩が持っている介護福祉士を取得」と設定しました。当時は実務経験3年で介護福祉士の受験資格を得ることができたので、まずは3年頑張ろうと決め、実務経験を積むことにしました。最終的には無事に介護福祉士の資格をとることができ、自分に自信がついたと思います。辞めたい、という気持ちも無くなっていきました。
六本木 麻奈(特別養護老人ホーム 介護支援専門員)福祉系大学卒業後、グループホーム、デイサービス、ショートステイ、訪問介護等介護職や生活相談員に従事。働きながら福祉系大学院卒業後現在に至る。
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